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<自己紹介>新B4關根によるshFRCの解説


じめまして。新B4の關根と言います。よろしくお願いします。
先輩からのブログ書けという指令を何かと理由をつけてかわしてきましたが、ついに万策尽きまして書くことにしました。嫌ってわけではなくて、人に文章読まれるのが恥ずかしいんですよね。

東京出身で、サッカーをずっとやってました。趣味は映画鑑賞。トムハンクスとアルパチーノが好きです。好きな食べ物はいちごで、好きな飲み物はココアです。けやき坂が最近好きになりました。丹生ちゃんかわいい。最近のマイブームはみなとみらいに行ってカフェで本を読む(本当は英語ゼミの和訳)ことです。ココア飲みながら本読んでます。中尾研に入ったのは中尾先生のファンだからです。シンプルですね。僕の代は中尾研人気なくて(中尾先生の授業がなかったのが一因だと思う)成績カスな僕でも入れちゃいました。ラッキー。


左 嘉代さん 右 私
いやー今年はいろいろありました。研究室配属、化生の高橋研とのBBQ、化生のドッヂビーイベント、中間発表、院試、二回目の中間発表、ソフトボール大会など。なかなか充実。そんなこんなは他のB4が書くかなと思うので僕は現B3に研究アピールしときます。金属の勉強ばかりしててセラミックスが何かも良く分からないだろうからね!( ´∀` )

さて、突然ですが、ノ―ベ〇賞級とも噂のある中尾先生とshFRC(長繊維強化自己治癒セラミックス)のすごさを僕なりに考えたので解説したいと思います。今度B4になる人知りたいだろうし。ポイントは以下の二つです。

① 完治までの時間がめちゃくちゃ短い!
② 使えば使うほど強くなる!?

そもそもセラミックスとはなんでしょうか。広義には、「無機物、かつ非金属、かつ室温で固体」のものを指します。より一般的な理解としては「焼結した非金属無機化合物の総称」でしょうか。ざっくり「焼き物」でもいいです。レンガ、ガラス、セメント、陶磁器 はセラミックスですね。あとダイヤとか宝石はセラミックスの一種です。 主にイオン結合や共有結合からなるので強いのですが、塑性変形しないので「脆い」ことが特徴になります。この脆いという特徴が、セラミックスの応用の幅を狭めています。危険だし加工しづらいんです・・・。

セラミックスの表面に傷が入ると、そこに応力集中が起きます。ポテチの袋のギザギザと同じですね。ギザギザに力が集中するおかげで簡単に袋は空きますが、あれがなければ僕は今頃ポテチを食べながらこの記事を書いてはいなかったでしょう。袋があかずに「このポテチはすっぱいに違いない(コイ〇ヤ コンソメ味)」とか負け惜しみを言いながらゴミ箱に投げ捨てていたはずです。ギザギザ、Thanks

さて、話を戻します。小さな傷の存在により、材料の強度は20%~80%も低下すると言われており、製造段階で入る微小な傷が命取りになったりします。こんな材料は信用できませんね、新品でザコなんて。細木数子のほうがまだ信用できます。しかし、この製造段階でできた傷や、使用中に生じた傷を治すことができれば、初期不良品でも使用可能なので製造コストをカットできるうえ、設計した強度で材料を使い続けることができるようになり、信頼性がぐっと上がります。これを可能にするのが中尾研で研究しているshFRC(長繊維強化自己治癒セラミックス)です。

① 完治までの時間がめちゃめちゃ短い!
 もともとSiCを含むセラミックスが高温下で自己治癒性(傷を修復する性能)を持つことは安藤柱先生によって発見されていました。これ自体は100%の強度回復が可能で優れものなんですが、き裂を治癒するには、1200以上の高温で、1000時間程かかるなどとても実用には堪えない代物でした。
 しかし、中尾先生、長田俊郎さんらが6万倍の速さ、実に1分での治癒を実現しました。かつては固相と固相の間の反応で、粒子が拡散するのに極めて長い時間がかかっていたのを、そこに液相を介在させることで反応を大幅に早めたのです。鉄に炭素を入れると融点が下がる部分があるのはB3でも知ってますね?知らない人は液相線に注目して状態図とにらめっこしてみてください。そんな感じで元素の添加により融点を下げたわけです。反応を早めたいなら液相が必要だ→融点の低い物質を部分的に作ろうというのは非常に理にかなっていてシンプルな発想ですが、ものすごく画期的なことでした。なんといってもこれのおかげで実用化への道がひらけたんですから。

②使えば使うほど強くなる!?
shFRC
界面層の酸化
 ①では材料自体の性質の面(ミクロな視点)が大きなウェイトを占めましたが、こちらはうってかわって構造からのアプローチになります。shFRCは繊維、界面層、母材からなります。母材にクラック(き裂)が生じると、そのクラックは繊維をとりまく界面層へ伝播します。(繊維があるので亀裂が一気に進展することはありません。)この界面層はあえて強度が小さく設計されているのでクラックは界面層に誘導されます。この界面層が①で述べたような治癒性能をもつ物質でできており、融体がクラックに流れ込むことで傷を修復するわけです。脆性材料では当然最弱部に最初のクラックが発生します。ここがすぐさま治癒するので、次は二番目の最弱部がクラックを生じ、これがまた治癒・・・ということを繰り返します。最弱部がどんどんなくなるので材料はどんどん強くなります。なんだか数学的帰納法みたいですね。従来の自己治癒材料は治癒しても元の強度にすら戻らず、当然劣化していくものでした。しかし、shFRCでは構造を工夫することでその常識をこわしたのでした。



材料の性質からのアプローチと構造からのアプローチ、ミクロとマクロ両方の視点から材料を設計したわけですね。いやーすごい。こういう視座をもった人間になりたいものだなぁ。(ファンの声)

ちなみに中尾研では現在、鋼、プラスチック、セラミックスの研究を展開しているので三大材料を網羅してます。セラミックスメインですがセラミックスしかできないわけではありません。

以上が、僕が知ってる範囲での理解になります。まぁ僕はshFRCに一ミリもかかわってないので間違ってても許してください笑。長くなりました。B3のみんなは興味持ったら中尾研きてねー。

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